モレーン(moraine、堆石、氷堆石)とは、氷河が谷を削りながら時間をかけて流れる時、削り取られた岩石・岩屑や土砂などが土手のように堆積した地形のことである。ただし、小疇(1985)によると、近年では、混乱防止のため、氷河により運ばれた岩屑、その集合体、それにより形成される地形をデブリ、ティル、モレーンと呼び分けるようになってきている。こうしたモレーン堆積物はシルト状のものから巨礫まで幅広く含まれ、通常淘汰が悪い。 氷河の後退などによりモレーンが氷河と切り離され、氷河との間の空間に溶けた水が溜まり氷河湖を形成することがある。氷河の後退によってモレーンとの間に出来た氷河湖は、モレーンの崩壊によって決壊し洪水を起こす可能性がある。実際にネパールやブータンで何度か氷河湖が決壊して洪水が発生し、下流部に死者を出す被害をもたらしたことがあるため、氷河湖の水位を下げるなど早急な対策が求められている。
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