プロボクシング4団体統一スーパーバンタム級王者井上尚弥(31=大橋)が約約3年11カ月ぶりの「聖地」ベガス再上陸に向けて記者会見に臨んだ。3月12日(日本時間13日)に米プロモート大手トップランク社を通じ、5月4日(同5日)、米ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBA世界同級1位ラモン・カルデナス(29=米国)との防衛戦に臨むと発表されたことを受け、5日に横浜市内のホテルで会見に出席した。
主な一問一答は次の通り
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-約4年ぶり3度目のラスベガスになる
井上 4年ぶりとなるラスベガス試合を非常に自分もワクワクしている。今回、会場は(2万人収容の)T-モバイルアリーナということで、そこに対しても楽しみにしている。
-試合まで残り1カ月
井上 今週はスパーリングと強化トレーニングをしている。非常にハードなトレーニングを積んでいる。ここから先はスパーリング中心で仕上げていきたいと思っている。
-カルデナスの印象は
井上 非常にまとまった選手といいますか、リードパンチがすごく優れていて、タフな印象を持っています。
-どんなインパクトを残したいか
井上 5月5日、ラスベガスで試合すること。シンコ・デ・マヨ(メキシコの祝日)という特別な日にできることで自分に期待している。日本でやっているパフォーマンスを力まずにやってきたい。
-約4年前と立場が違う。パウンド・フォー・パウンド1位となり(現在2位)、2階級で4団体統一王者となった。価値を上げての再上陸でどんな結果をイメージしているか
井上 もちろん米国で試合するならKOは、少し考えていきたいなと思っています。KOでも判定でもみせるボクシングしていきたい。
-カルデナスは「地獄のパンチを持つ男」と異名。前戦では井上の練習パートナーのアコスタと試合している。カルデナスの力量がわかる
井上 アコスタとの試合をフルでみたわけでないが、彼はすごくパワーある選手ではあった。その選手にダウンを奪われながらも判定で勝ったというのは、地力、精神力、タフネスも兼ね備えているんだなと思いました。
-先月のドジャース開幕戦でプレイボールアナウンメントを担当。ESPNはドジャース大谷→井上防衛戦とリレーで放送する
井上 開幕宣言をやらせていただいた。また違った東京ドームの迫力を感じましたし、大谷選手の世界的なスター性もみさせていただいた。自分にとっては刺激的な1日となりました。その中で、5月5日、放送に関してもそういった流れでやると聞いていますし。日本人ここであるぞ、という日本人の素晴らしさ、強さというものも同時にみせていきたい。
-次は4団体統一王者としての防衛記録(4度)に並ぶ期待がかかる
井上 これについて思うことはないですね。記録を狙って試合するわけではない。5月5日、自分のベストを尽くした結果、記録更新できればいいなと思う。そのぐらいです。
-挑戦者の候補のうち、WBC1位のアラン・ピカソ(メキシコ)ではなく、WBA1位のカルデナスになった
井上 まあ分からないですけど、最初はピカソと聞いていて陣営が断ったと。そこからのカルデナスと。次はこの選手になるぞと(大橋秀行)会長から映像をもらって、見て意外と気が抜けないですねと話した。ジャブも強い。骨格的にもしっかりとスーパーバンタム級。気の抜けない戦いになる。
-米メディアに対し、カルデナスが攻める発言した
井上 向こうがそういう覚悟でくるなら、すごくピリついたおもしろい試合になる。きてほしいですけどね。せっかく米国でやりますし、おもしろい試合したい。
-カルデナスはメキシコ系米国人、相手がホームで有利になる
井上 それはあるんじゃないですかね。自分もそうですけど、応援が力になりますしね。それはすごくでかいと思います。
-5月のラスベガスの後、9月に国内、12月にサウジアラビア、来春には中谷潤人との日本対決と続くプランがある。ダメージの心配は
井上 いつも通りやれば大丈夫。不安はない。楽な試合はない。プレッシャーにもなるが、モチベーションにもなる。まあ普通の選手はこうはならない。自分はそこをプラスととらえている。負けたら終わりですからね、計画は。そうならないためにも気の抜けない戦いになる。(おわり)