○ まさかこんな所にメメクラゲがいるとは思わなかった。
原作者つげ義春の分身ともいえる、若く売れない漫画家ツベのさえなくもどかしい日常に。次々と現れる魅力的な女性をめぐるエロスたっぷりな妄想を加えて展開する『ねじ式』のストーリーは、まず、内縁の妻との切なく情けない別れに始まる。そして、なんとなく訪れた山里のさびれた飲み屋、もっきり屋の少女チヨジの悲喜劇を目撃し、東京を離れてふらりと宿泊した大衆食堂やなぎ屋の主人となった自分を夢想する旅を続ける。そうするうちに、海辺でメメクラゲに噛まれたツベは、医者をさがしてシュールな幻想の世界へ迷いこんでいってしまうのだ。
○ 世紀末の日本映画界を石井輝男監督がたたっ斬る!
60年代、爆発的人気を得た高倉賢主演の『網走番外地』シリーズ(本作の中で主題歌を聴くことができる)や、『恐怖奇形人間』などに代表される“異常性愛路線”と呼ばれるカルト映画の巨匠として熱狂的なファンを多く持つ石井輝男監督が、93年大ヒットを記録したオムニバス『ゲンセンカン主人』に引き続き原作に選んだのは、つげ義春の短編漫画であった。
夢をベースにしたあまりにも荒唐無稽なストーリー展開に、一度は製作を見送
った「ねじ式」を含む四編(「別離」「もっきり屋の少女」「やなぎや主人」「ねじ式」)を下敷きにした物語からなる『ねじ式』を自らプロデュースし、グロテスクで悪夢的でありながら、ちょっとしたおかしさや可愛さのある世界を完全映像化した!
○ 「ねじ式」は芸術なのか? デタラメなのか?
石井輝男監督の念願の企画であった「ねじ式」は、今から30年前、1968年に衝撃と共に漫画雑誌“ガロ”に発表された。
当時のマンガは、まだ表現の手段として用いられるというよりも娯楽として捉えられていたため、「ねじ式」のマンガの常識を無視した奇異でシュールな内容や、大きなコマ割りなどは賛否両論を巻き起こすこととなったのだ。マンガ界の周辺では、こらはマンガではないといった全面的な否定が圧倒的多数を占め、映画、演劇、詩の周辺の表現者たちからは「ねじ式」が漫画であることに脅威を感じられながらも、芸術作品として好意的に認知された。
「ねじ式」はつげ本人が語るように「(当時住んでいた)ラーメン屋の屋根のうえでみた夢」を描いた漫画でありながら、そのデタラメさからは今の時代の焦燥感さえ伝わってくるのだ。
○ 超豪華、新旧異色キャストの肉弾戦!!
主人公ツベを演じる浅野忠信の脱力した存在感と、かねてからの愛読書であったつげ義春の原作そのままの台詞の淡々とした語りが、『ねじ式』の幻想的でシュールな世界に現実感を与えている。石井輝男監督の念願の夢と、つげ義春がラーメン屋の屋根の上で見た夢を映像化する上で、浅野忠信の存在が欠かせないものであったことは明らかであろう。
内縁の妻である国子を演じた藤谷美紀、看護婦役の元C.C.ガールズの藤森夕子、おかっぱ頭に着物姿のもっきり屋のチヨジを演じたつぐみ、女医役の水木薫など女優たちはそれぞれに体当たりの演技で、石井輝男監督のエロスたっぷりの演出に見事に応えている。その他にも、ツベを居候させる木本役の金山一彦、その家主の丹波哲郎、駅長役の砂塚秀夫、金太郎飴売りの清川虹子などの怪演も見逃せない!
ウッ屈した若者の不安な心が見事に表現されていて、
カット毎の切り口と転換もあざやかで、
石井監督の凄さにあらためて瞠目しました。
つげ義春
な、なんだこれは? ねじ式ファンはズッコケ、
浅野忠信ファンは悲鳴を上げ、
藤森夕子の親戚は御近所に顔向けできないだろう。
原作はねじ曲がり、俳優と観客は頭のねじを飛ばされる。
つまりいつもの石井輝男の世界だ。イヒヒヒ。
好きなやつにはたまらないトンデモ映画を
石井輝男がま〜た撮ってくれた!
大槻ケンヂ
= 劇場案内 =
● 7月18日(土)より夏休み“テッテ的”ロードショー!
- 【東京】
- BOX東中野 (03)5389-6780
- 07/18〜
- 12:15/14:00/15:45/17:30/19:15(入替制)
JR東中野駅西口北側・ホーム正面ポレポレ坐ビル地下
- ユーロスペース (03)3461-0211
- 07/18〜08/07
- 13:00/15:00/17:00/19:00
渋谷駅南口下車2分・JTB前さくら通り上がる
- 【大阪】
- 扇町ミュージアムスクエア (06)361-0088
- 07/18〜08/14
- 13:35/15:20/17:05/18:50
ホワイティ泉の広場上がる
- 【名古屋】
- 名古屋シネマテーク (052)733-3959
- 08/21〜09/11 5日〜レイト
- 【広島】
- 広島ステーション・シネマ (082)286-2375
- 08/21〜イブニング
- 【神戸】
- 神戸アートビレッジセンター (078)512-5353
- 09/12〜09/18
- 【松山】
- シネマルナティック (0899)33-9230
- 09/26〜10/02
- 【松本】
- 松本中劇シネサロン (0263)98-4928
- 10/14〜10/17
- 【京都】
京都みなみ会館 (075)661-3993
- 10月予定
- 【静岡】
サールナートホール (054)273-7450
- 10/30〜11/05
- 【岡山】
シネマクレール (086)232-2281
- 【札幌】
シアターキノ (011)231-9355
- 【高松】
ワーナーマイカルシネマズ宇多津 (0878)86-7577
- 【福岡】
シネテリエ天神 (092)781-5508
- 【弘前】
弘前マリオン劇場 (0172)33-3365
- 【新潟】
新潟シネ・ウインド (025)243-5530
- 【函館】
シネマアイリス (0138)31-6761
- 【大分】
大分シネマ5 (0975)36-4512
- 【横浜】
関内アカデミー劇場 (045)262-8913
- 【長崎】
長崎セントラル (0958)25-9380
特別鑑賞券\1,400好評発売中!!(当日:一般\1,700/学生\1,400のところ)
お求めは劇場窓口(ポストカード付き!)、チケットぴあ他プレイガイドにて
= お知らせ =
○ 『ねじ式』関連グッズ(限定品)も、劇場にて発売するのであります。
【其の壱】ねじ式のCD
【其の弐】ねじ式のTシャツ
【其の参】ねじ式の金太郎飴 ポキン!ポキン!
【其の四】ねじ式のゼンマイ歩行人形(劇場公開記念モデル)