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'''ポゴスト'''({{lang-be|пагост}}、{{lang-ru|погост}}、{{lang-uk|погост}})とはルーシの行政・領土の単位である。[[キエフ・ルーシ]]期のポゴストは[[ウロク]](諸税)を徴収する役割を担った。日本語文献では「貢物納入所」という訳が当てられている<ref name='『ロシア史』40頁'>和田春樹『ロシア史』40頁</ref>。 |
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ポゴストは[[キエフ大公国]]の公女・[[オリガ (キエフ大公妃)|オリガ]]がウロクの徴収のために、[[947年]]にノヴゴロドの地[[:ru:Новгородская земля|(ru)]]で[[ドレヴリャーネ族]]に対して制定したのが始まりである<ref name='『ロシア史』40頁'></ref>。ポゴスト設置以前は、徴税には、公が[[ドルジーナ]](従士)を率いて徴収に回る[[ポリュージエ|パリューヂェ]](巡回徴貢){{refnest|group="注"|「パリューヂェ」は{{lang-ru|полюдье}}の[[音写]]による。音写と日本語訳は「和田春樹『ロシア史』34頁」による。}}という形式が採られていた<ref>和田春樹『ロシア史』34頁</ref>。しかし[[945年]]、ドレヴリャーネ族が[[ダーニ]](貢税)の徴収に抵抗し、徴収に赴いたオリガの夫の[[イーゴリ1世]]を殺害したことが、ポゴスト設置の発端となった<ref>和田春樹『ロシア史』36頁</ref>。 |
ポゴストは[[キエフ大公国]]の公女・[[オリガ (キエフ大公妃)|オリガ]]がウロクの徴収のために、[[947年]]にノヴゴロドの地[[:ru:Новгородская земля|(ru)]]で[[ドレヴリャーネ族]]に対して制定したのが始まりである<ref name='『ロシア史』40頁'></ref>。ポゴスト設置以前は、徴税には、公が[[ドルジーナ]](従士)を率いて徴収に回る[[ポリュージエ|パリューヂェ]](巡回徴貢){{refnest|group="注"|「パリューヂェ」は{{lang-ru|полюдье}}の[[音写]]による。音写と日本語訳は「和田春樹『ロシア史』34頁」による。}}という形式が採られていた<ref>和田春樹『ロシア史』34頁</ref>。しかし[[945年]]、ドレヴリャーネ族が[[ダーニ]](貢税)の徴収に抵抗し、徴収に赴いたオリガの夫の[[イーゴリ1世]]を殺害したことが、ポゴスト設置の発端となった<ref>和田春樹『ロシア史』36頁</ref>。 |
2020年1月20日 (月) 22:49時点における版
ポゴスト(ベラルーシ語: пагост、ロシア語: погост、ウクライナ語: погост)とはルーシの行政・領土の単位である。キエフ・ルーシ期のポゴストはウロク(諸税)を徴収する役割を担った。日本語文献では「貢物納入所」という訳が当てられている[1]。
ポゴストはキエフ大公国の公女・オリガがウロクの徴収のために、947年にノヴゴロドの地(ru)でドレヴリャーネ族に対して制定したのが始まりである[1]。ポゴスト設置以前は、徴税には、公がドルジーナ(従士)を率いて徴収に回るパリューヂェ(巡回徴貢)[注 1]という形式が採られていた[2]。しかし945年、ドレヴリャーネ族がダーニ(貢税)の徴収に抵抗し、徴収に赴いたオリガの夫のイーゴリ1世を殺害したことが、ポゴスト設置の発端となった[3]。
ただしポゴストの概念はのちに変化し、以降の時代には、いくつかの集落からなる行政・領土の単位をポゴストと呼ぶようになった。キリスト教の普及の後、ポゴストには教会が建てられた。時と共にポゴストは、教会と墓地のある村を意味するようになった。また、小教区であると共に、交易や移住の中心地の役割も担い、共同の祝宴も行われた。18世紀 - 19世紀の中央ロシア(ru)では、ポゴストとは教会・墓地と、ポープ・プリーチト[注 2]の住居のある、小規模な移住地を指した。また、北部ロシア(ru)では行政区分名としてポゴストという名称が、1775年に廃止されるまで存続していた。さらに18世紀始めからは、ポゴストとは村の墓地を指す言葉としても使用された。このように、ポゴストという言葉にはいくつかの概念が含まれている。
現在は、多くの集落や地名にポゴストの名が残っている。
脚注
注釈
出典
参考文献
- Дьяченко, Григорий, протоиерей. Полный церковно-славянский словарь. — М., 1993. (репринт) — С.438.
- 和田春樹編 『ロシア史』 (世界各国史22)、山川出版社、2002年