「T-62」の版間の差分
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敵による発見を防ぎ、また、被弾率を低くするため全高を低くするという[[ソビエト連邦|ソ連]][[戦車]]の設計思想がよく現れている。それによって乗員の居住性が犠牲となり、砲身の俯角がほとんど取れないという欠点が生じている。(俯仰角は-6°から+16°)
[[砲弾]]の装填は装填手が手動で行い、射撃後の空[[薬莢]]を邪魔にならないよう[[砲塔]]後部の小ハッチから自動的に排出する機構(自動排莢装置)は射撃速度の向上に大いに貢献するとされていたが、排莢時は砲身の仰角を最大にしなければ機構が作動しないため、排莢後にはそのつど砲身角度を戻さねばならず、かといって排莢作業を手動で行うには砲塔内容積の余裕のなさが装填手の作業に悪影響を与え、砲塔内の狭さは装填作業にも多大な影響を与えたため、かえって射撃速度が低下する結果となった。また、射撃後に砲身角度を一定に保てない事は、同一目標への連続射撃を大いに阻害することになった。[[自動装填装置]]を持つ他の戦車でも射撃後の排莢・装填時には砲身を規定角度に戻す必要があるが、現代の戦車では自動的に元の位置に素早く復旧されるのに対し、T-62では砲安定装置の機能がそこまで進んでいなかった。また、空薬莢の排出ハッチが作動して開くと砲塔部に開口部ができることになり、[[規制が議論されている兵器|NBC兵器]]で汚染された状況下では運用に難があった。砲塔内部にはT-55と同様にNBC防御用PAZシステムを装備し、設置場所はT-55の砲塔右前方から、砲塔後部の排莢ハッチ下へ変更された。
なお、T-62は標準で潜水渡渉能力を持ち、[[シュノーケル (潜水艦)|シュノーケル]]を装備すると共に機関室上面の開口部を塞ぐための水密扉が装備されている。自動排莢機構が投棄する薬莢により、機関室上面の水密扉が損傷することを防ぐため、格納状態の水密扉にはこれを覆う形で防護板が備えられている。
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