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{{神社
|名称 = 熊野本宮大社
|画像 = [[File:Shrine_Kumano_hongu01.jpg|270px]]<br/>拝殿
|所在地 = 〒647-1731 [[和歌山県]][[田辺市]][[本宮町本宮]]1100
|位置 = {{ウィキ座標2段度分秒|33|50|24.9|N|135|46|24.9|E|display=inline,title}}
|祭神 = [[熊野権現|家都美御子大神]]
|社格 = [[式内社]]（[[名神大社]]）<br/>旧[[官幣大社]]<br/>[[別表神社]]
|創建 = 伝・[[崇神天皇]]65年
|札所等 = [[神仏霊場巡拝の道]]第4番（和歌山第4番）
|例祭
|本殿 = [[入母屋造]]（第一殿・第二殿）、[[切妻造]]（正面）・[[入母屋造]]（背面）（第三殿・第四殿）
|地図 = {{Location map|Japan Wakayama|lat_deg=33|lat_min=50|lat_sec=27.1|lon_deg=135|lon_min=46|lon_sec=27.4|label=熊野<br/>本宮大社|position=left|width=200|float=center|caption=|mark=Shinto torii icon vermillion.svg|marksize=20}}
{{maplink2|frame=yes|plain=yes|type=point|zoom=12|frame-align=center|frame-width=200|coord={{coord|33|50|27.1|N|135|46|27.4|E}}}}
}}
'''熊野本宮大社'''（くまのほんぐうたいしゃ）は、[[和歌山県]][[田辺市]][[本宮町本宮]]にある[[神社]]。[[熊野速玉大社]]・[[熊野那智大社]]と共に、[[熊野三山]]
==
[[File:Kumano-hongû-taisha_Shrine_-_Stone_monument_of_a_crow_"Yatagarasu".jpg|thumb|
詳しい創建年代は不明であるが、社伝によると[[崇神天皇]]65年に[[熊野川]]の中洲、現在の大斎原（おおゆのはら）の地に創建されたとされている。
「[[長寛勘文|熊野権現垂迹縁起]]」によると、熊野坐大神は[[唐]]の[[天台山]]から飛来したとされている。熊野坐大神（家都美御子大神）は、[[スサノオ|須佐之男命]]とされるが、その素性は不明である。太陽の使いとされる[[八咫烏]]を神使とすることから太陽神であるという説や、中洲に鎮座していたことから水神とする説、または木の神とする説などがある。家都美御子大神については他にも[[五十猛神]]や[[伊邪那美神]]とする説があり、[[菊理媛神]]とも関係するとの説もあるが、やはりその素性は不詳とされる<ref>{{Cite book|和書|author=川口 謙二（編著）|year=1999|title=日本の神様読み解き事典|publisher=柏書房|isbn=978-4-7601-1824-3}}</ref>。
古代から中世にかけて、神職は[[ニギハヤヒ]]の後裔で[[熊野国造]]の流れを汲む[[和田氏]]が世襲し、[[平安時代]]には[[式内社]]（[[名神大社]]）に列せられている。
[[平安時代]]の末期には[[鳥羽天皇|鳥羽上皇]]、[[後白河天皇|後白河法皇]]、[[後鳥羽天皇|後鳥羽上皇]]などが幾度も[[熊野三山]]に足を運び、大いに賑わっている。
[[1871年]]（[[明治]]4年）に'''熊野座神社'''（くまのにますじんじゃ）として[[国幣中社]]に列格した。
熊野川の中洲に上四社、中四社、下四社を始め拝殿や様々な社殿が立ち並んでいたが、[[1889年]]（明治22年）8月に発生した[[十津川大水害]]により、上四社以外の建物は全て流されてしまった。明治以後、山林の伐採が急激に行われたことにより山林の保水力が失われ、大規模な洪水が引き起こされたもようである。残された上四社は現在地に移転したが、中四社、下四社と様々な摂末社の再建は行われなかった。旧社地の中洲は大斎原（おおゆのはら）と呼ばれ、中四社、下四社と摂末社の祭神を祀る2基の石祠が建立された<ref>なお、その時の大洪水で被災した上流の[[十津川村]]集落の住民の一部が移住した先で開墾したのが[[北海道]]の[[新十津川村]]である。</ref>。
[[1915年]]（[[大正]]4年）には[[官幣大社]]に昇格している。[[1948年]]（[[昭和]]23年）に[[神社本庁]]の[[別表神社]]に加列されている。
[[2000年]]（[[平成]]12年）、大斎原に[[鉄筋コンクリート造]]の日本一高い大鳥居（高さ33.9m、横42m）が建てられた。
かつては[[湯立]]が行われており、「熊野権現垂迹縁起」では大斎原が「大湯原」と表記されていることや、熊野をユヤと読む際に湯屋や湯谷の字をあてられたことなどから、熊野信仰の中核に湯の観念があったことが指摘されている<ref>{{Cite book|和書|author=鈴木正崇|year=2008|title=宗教民俗研究|chapter=熊野信仰と湯立神楽|volume=18|page=28|issn=0917-9143}}</ref><ref>[[鈴木正崇]]『熊野と[[神楽]]―[[聖地]]の根源的力を求めて』[[平凡社]]、2018年、13頁。ISBN 978-4-582-36452-1</ref>。
=== 八咫烏 ===
日本を統一した[[神武天皇]]を[[大和国]]の橿原（現・[[橿原市]]）まで先導したという[[神武東征]]の故事に習い、導きの神として[[八咫烏]]には篤い信仰がある{{r|烏}}。[[八咫烏]]の「八咫」とは大きく広いという意味である{{r|烏}}。太陽の化身で三本の足があり、それぞれ天・地・人をあらわす、といわれている<ref name="烏">{{Cite news|title=八咫烏について |publisher=熊野本宮大社|url=http://www.hongutaisha.jp/%E5%85%AB%E5%92%AB%E7%83%8F/|accessdate=2020-03-23}}</ref>。
JFA（[[日本サッカー協会]]）のマークも八咫烏である{{r|烏}}<ref name="講談社">{{Cite web|和書|url= https://gendai.media/articles/-/79996?imp=0|title=3本足のカラス「ヤタガラス」の伝説とは…蹴鞠とサッカーの奥深い関係|publisher=講談社|author=秋尾沙戸子 東村アキコ|date=2021-2-7|accessdate=2021-7-31}}</ref>。多くの[[サッカー]]関係者が必勝祈願に訪れている{{r|烏}}。
ちなみに、サッカーを初めて日本に紹介した[[中村覚之助 (サッカー指導者)|中村覚之助]]（[[1878年]] - [[1906年]]）は那智町（現・[[那智勝浦町]]）の出身{{r|講談社}}。[[西日本旅客鉄道|JR西日本]][[那智駅]]前には「日本サッカーの始祖 中村覚之助」と刻まれた顕彰碑がある<ref>{{Cite news|title=サッカーＷ杯、“聖地”で日本代表の応援を－「八咫烏」など縁が深い和歌山県がキャンペーン |publisher=[[産経新聞|産経]]ＷＥＳＴ|url=https://www.sankei.com/article/20171227-KHLE4B2Z4ZPMRKAUIUOAUGWGN4/|date=2017-12-27|accessdate=2020-03-23}}</ref>。
== 祭神 ==
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!第十殿
!米持金剛
|[[ハニヤス|埴山姫命]]
|[[毘沙門天]]
|-
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|[[釈迦如来]]
|}
前述の通り、1889年（明治22年）の熊野川水害により中洲にあった社殿は大きな被害を受け、上四社のみが現社地に移築された。中四社および下四社と摂末社の社殿は再建されず、旧社地に2基の石祠が建てられた。
なお神域内の上四社・大斎原とも基本的に撮影禁止であり、撮影を希望する場合は社務所にて許可が必要である。
== 境内 ==
* 本宮（第三殿（證証殿）、[[重要文化財]]） - 祭神：家都美御子大神。[[文化 (元号)|文化]]7年（[[1810年]]）建立。
* 結宮（第一殿（西御前）・第二殿（中御前）、重要文化財） - 第一殿祭神：熊野牟須美大神・事解之男神、第二殿祭神：速玉之男神。[[享和]]2年（[[1802年]]）建立。
* 若宮（第四殿（東御前）、重要文化財） - 祭神：[[アマテラス|天照大神]]。享和2年（1802年）建立。
* 中門 - 4つ並んでいる。
* 満山社 - 祭神：結びの神、祓いの神
* 拝殿
* 神門
* [[八咫烏]]像
* 社務所
* 宝物殿
* [[祓戸大神]]
* 功霊社 - 祭神：[[日露戦争]]と[[太平洋戦争]]での戦死者
* 瑞鳳殿
* 境外
** 産田社 - 祭神：[[イザナミ|伊邪那美大神]][[荒魂]]
=== 熊野本宮旧社地 大斎原 ===
* 大鳥居 - [[鉄筋コンクリート造]]の日本一高い大鳥居。高さ33.9m、横42m。[[2000年]]（[[平成]]12年）完成。
* 東の石祠 - 祭神：境内摂末社（八咫烏神社・音無天神社・高倉下神社・海神社）
* 西の石祠 - 祭神：中四社（[[アメノオシホミミ|忍穂耳命]]・[[ニニギ|瓊々杵尊]]・[[ホオリ|彦火火出見尊]]・[[ウガヤフキアエズ|鵜葺草葺不合命]]）、下四社（[[カグツチ|軻遇突智命]]・[[ハニヤス|埴山姫命]]・[[ミヅハノメ|弥都波能売命]]・[[ワクムスビ|稚産霊命]]）
<gallery>
Kumano Kodo Kumano Hongu Taisha World heritage 熊野本宮大社18.JPG|鳥居
Kumano Kodo Kumano Hongu Taisha World heritage 熊野本宮大社07.JPG|神門
Kumano Kodo Kumano Hongu Taisha World heritage 熊野本宮大社102.JPG|参道
Kumano Kodo Dainichigoe World heritage01.JPG|大斎原大鳥居
</gallery>
== 文化財 ==
[[ファイル:Kumano-hongû-taisha Shrine - Yatagarasu-Postbox.jpg|thumb|
=== 重要文化財
==== 建造物 * 熊野本宮大社 - 重要文化財（建造物、[[1995年
|url=http://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/
|title=国指定文化財等データベース
131 ⟶ 163行目:
** 熊野本宮大社第四殿（若一王子）<ref>{{国指定文化財等データベース2 |name=熊野本宮大社 第四殿（若一王子） |register=102 |item=2928 |accessdate=2010-06-12}}</ref>
上記3棟が
====
* 木造家津御子大神坐像、木造速玉大神坐像 、木造夫須美大神坐像、附 木造天照大神坐像（1966年〈昭和41年〉6月11日・4躯一括指定）<ref name="BunkazaiDB"/>。
* 鉄湯釜
=== 国指定史跡 ===
* [[熊野三山]] - 熊野本宮大社境内は史跡「熊野三山」の一部である<ref>{{国指定文化財等データベース2 |name=熊野三山 |register=401 |item=3364 |year=2000 |jyear=平成12 |month=11 |date=2 |year2=2002 |jyear2=平成14 |month2=12 |date2=19 |additional=分離・追加指定・名称変更 |cat1=史跡 |accessdate=2010-06-12 }}</ref>。当初、本宮大社社地は大斎原（本宮大社旧社地）のみが史跡「[[熊野古道|熊野参詣道]]」の一部として史跡として指定を受けていたが、[[2002年]]（平成14年）12月19日、熊野三山が熊野参詣道から分離・名称変更された際に、現社地が追加指定された<ref>{{Cite web|和書
|author=文部科学省
|authorlink=文部科学省
146 ⟶ 178行目:
|accessdate=2010-06-13
}}</ref>。
=== 和歌山県指定有形文化財 ===
* 絹本著色熊野本宮八葉曼荼羅 1幅 - [[南北朝時代 (日本)|南北朝時代]]後期から[[室町時代]]。
* [[熊野本宮大社例大祭#大日越え|大日堂の石仏]] 1躯
* 儀仗鉾 2振
* 擬宝珠 3個 - 江戸時代初期。[[元和 (日本)|元和]]6年（[[1620年]]）。[[紀州藩]]主[[徳川頼宣]]奉納。
* 若狭国主酒井忠直奉納石硯 1面
* 神額 1面 - 江戸時代初期。[[慶長]]18年（[[1613年]]）。豊臣秀頼寄進。
* 銅鍍金つり灯呂 1対 - 豊臣秀頼寄進。
* 銅鉢 1口 - 豊臣秀頼寄進。
* 文台 1基
* 硯箱 1基
=== 和歌山県指定無形民俗文化財 ===
* 八咫烏神事（熊野本宮大社神事保存会）
* 御竈木神事（熊野本宮大社神事保存会）
* 熊野本宮の湯登神事・御田祭（熊野本宮大社神事保存会）
== 前後の札所 ==
; [[神仏霊場巡拝の道]]
: 3 [[熊野那智大社]] - '''4 熊野本宮大社''' - 5 [[闘鶏神社]]
== 交通 ==
; 「本宮大社前」バス停下車
* JR紀伊田辺駅より約2時間10分 (龍神自動車)
* JR[[紀伊勝浦駅]]より約1時間30分（熊野御坊南海バス）、1日1往復。
* 奈良交通[[奈良交通南紀営業所#八木新宮線（十津川・本宮いでゆライン）|十津川特急バス]]にて[[近畿日本鉄道|近鉄]] [[大和八木駅]]より約5時間。
=== 自家用車 ===
* 駐車場あり。
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== 外部リンク ==
* [http://www.hongutaisha.jp/ 熊野本宮大社]（公式サイト）
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