コメの価格が高止まりしている。スーパーでのコメ5キロの店頭価格は平均4000円台で、平年の倍になる。コメを普段の主食にしている家庭、特に育ちざかりの子供がいると家計にはものすごい負担だ。
「トランプ関税」とコメ高騰
このような高価格になってしまったのは、日本の「コメ市場の閉鎖性」に問題があるからではないか。
トランプ米政権による関税引き上げのひとつの理由として「コメへの関税が700%である」というものがある。これに対し、江藤拓農水相は「理解不能だ」と記者への質問に答えていた。政府の公式見解は、政府が外国から輸入するミニマム・アクセス米(年間77万トン)については無税であり、またそれを超える民間の輸入量については、1キロあたり341円という従量税を課している、というものだ。
輸入米と国産米の店頭価格の差がほぼなくなっているとの指摘も多い。ただし、この「公式見解」については、ジャーナリストの浅川芳裕氏が「トランプ大統領が求めているのは、アメリカ産米の『通常の市場アクセス』であって、例外措置である『ミニマムアクセス』ではない」とX(旧ツイッター)で厳しく批判している。参考になるのでぜひ参照されたい(https://x.com/yoshiasakawa/status/1909388934574174219)。
大きく狂った需給バランス
ところで、「令和の米騒動」が起きた背景には、2つの原因がある。「短期的な要因」と「長期的な要因」である。